育てた木を木材にします

育てた木を木材にします

伐採された木を一定の場所に集めて枝や梢を切り落とし丸太の状態に整え、用途に合わせて必要な長さに切り分け、貯木場や製材工場や製紙工場などへ運ばれます。木は多様な可能性を持つ持続可能な資源です。建築・土木資材、家具、紙製品、木工品、バイオマスエネルギーの原料など、さまざまな産業や製品の基盤として重要な役割を果たしています。

伐採後の木はどこへ?

森林作業道の作設

間伐などの木材の集材や搬出、主伐後の再造林や森林整備のため継続的に利用する道を作ります。作業道は簡易な規格でありながらも、繰り返しの使用に耐えられる丈夫さと、容易に補修ができる構造であることが望ましく、自然環境への影響も考えながら計画します。

木寄せと集材

伐倒した木は、使用用途に合わせた長さや太さに調整し丸太へ加工されます。その作業を効率的に行えるように作業道の脇など一定の場所に寄せ集める作業が集材です。集材にはトラクターなどによる車両系集材と、集材機とワイヤーロープを使用する架線系集材があります。

造材(枝払いと玉切り)

伐採した原木はそのままでは使えないため、木の枝や梢を切り落として丸太の状態にします。その後、使用用途や木の特徴に合わせて必要な長さに切り分けます。

積込と運搬

枝払いと玉切りを終えた丸太を運搬用の車両やトラックに積み込み、貯木場・原木市場・製材工場・製紙工場などへ運び出します。

木は何に使われるの?

例えば
建築資材

建築物の構造や内装に使用される板や角柱などに加工され建築資材となります。柱や梁、床材、ドア、窓枠など建築物のあらゆる箇所に使用されます。木材の建築資材はその自然な美しさや強度、断熱性などの特性から、建築業界で広く使用されています。また、持続可能な建築を追求するために、再生可能な資源としての木材の利用が重視されています。

例えば
家具や木工品や楽器やスポーツ用品

木材の自然な風合いや温かみ、耐久性から、家具製作や木工品の製作に広く利用されています。テーブル、椅子、ベッド、棚、キャビネットなど様々な家具に使用されたり、彫刻、木彫り、木製の装飾品などの木工品に使用されたれたりします。木材の家具や木工品は、木の独特の風合いや個々の特性によって、個性的で魅力的な製品に仕上がります。楽器やスポーツ用具の製作にも重要な素材として使用されます。例えば木製のギターやヴァイオリン、ピアノの鍵盤、バットやホッケーのスティクやゴルフクラブなどがあります。

例えば
紙製品

新聞、雑誌、書籍、ノート、コピー用紙、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、パック用紙、包装紙、ダンボール箱や紙袋、紙皿や紙コップなど、木材を原料として製紙工程を経て紙に変換され、それぞれの用途に合わせて加工や仕上げが行われます。環境への配慮から、ダンボールや紙袋や包装紙は木材の繊維を再利用して作られることもあります。木材の再生可能性やリサイクルの可能性などを考慮し、リサイクル紙や持続可能な森林管理から得られる木材を使用した製品も増えています。

例えば
エネルギー原料

バイオマス発電は再生可能なエネルギー源として注目されています。木材を燃料として使用し、木材の燃焼によって発生する熱を利用して発電を行います。木材の副産物や廃材を利用することで持続可能なエネルギー供給が可能です。木材を粉砕し圧縮して作られる木質ペレットや、チップ状の木質バイオ燃料は、木製の燃料として利用されます。木材を高温で熱分解し、合成ガスを生成する木材ガス化など、木材はエネルギー源としても非常に大きな可能性を秘めています。木材供給を維持しながら環境への負荷を最小限に抑えることができます。